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「だれでもデザイン」を読んだ

「だれでもデザイン」を読んだ

デザインエンジニア/東京大学生産技術研究所・東京大学大学院情報学環教授として活躍される山中俊治さんによる、2017年に高校生に対して行われた4日間の特別授業を書籍化した一冊です。

デザインの根幹を学ぶ

本書は2017年に著者が高校生を対象に行った、デザインの根幹を学ぶ4日間の特別授業を書籍化した内容になっています。

ところどころで著者と受講している高校生の口頭でのやり取りもありますが、驚くのは高校生たちのデザインに対する鋭い考え方。
例えば初日の授業で、著者は「デザインって、なんだと思いますか?」というシンプルながら難しい質問を投げかけています。
こちらの質問に対し、高校生たちは次のように答えます。

「デザインは、単にアートとしてだけでなく、人が見たり、使ったりすることを考えて設計することだと思います。」
「人々の生活を、より便利に、より安全に、より豊かにするもの。それと歴史によって変わったり、時代を象徴するものであったりすると思います。」

本書 1章・デザインって、なに? P.15より引用

作る側の主観だけでなく、実際に使われることやさらに周りの環境まで含めて考えている回答にびっくりです。
自分よりもデザインの本質を捉えていると感じました。

この時点ですでに頼もしい受講生ですが、手を動かしながら学ぶ形式で授業が進められていきます。
本書ではただ読むだけというよりも、読者も紙と筆記用具を用意して実際に手を動かすことを推奨しています。
そこで自分もノートとペンを用意して、ところどころ本書に栞を挟みながら読んでみました。
(手元に大きい紙がなかったので、よくあるB5ノートとペンで代用しています)

ノートに描きながら(1)
ノートに描きながら(1)
ノートに描きながら(2)
ノートに描きながら(2)
ノートに描きながら(3)
ノートに描きながら(3)

授業では著者が実際に手がけてきた仕事を実例として紹介しながら、デザインのスケッチの描き方だけでなく課題の捉え方、観察すること、分解、アイデアの出し方などを丁寧に解説していきます。
これが本当にとても分かりやすい。
4日間(本書の最後)まで一貫して、一つ一つ丁寧に咀嚼しながら学べるような形になっていて充実した読書体験を得ることができたように感じます。

学んだ内容をより理解を進めるために、今後も手を動かすことで考えて、考えて、考える。
これを続けていくことは大変ですが、楽しくもある。
そんな気持ちを思い出させてくれる、素敵な一冊でした。

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