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「希望の歴史」を読んだ

「希望の歴史」を読んだ

数々の歴史や科学実験の真実を提示しながら、人の持つ特性を明らかにしていく内容。

あまり知られていない真実から、人の特性を明らかにする

本書はオランダのジャーナリスト、ルトガー・ブレグマンさんによる著作。
Twitterのタイムラインで本書をちょいちょい見かけたため、気になって読んでみました。

読む前の印象としては、タイトルの通りあまり知られていない人類の歴史を紹介しながら、将来に前向きになれるような自己啓発の要素が強い内容を想定していました。
ところが通読してみると、18世紀〜20世紀の出来事や科学実験など人類の歴史を紹介している点はその通りであるものの、よく知っている歴史(第一次世界大戦、第二次世界大戦など)のあまり知られていない真実を紹介しながら、人が本来持っている特性を明らかにする、という内容になっていました。

より具体的には、人は他者に共感したり思いやることができるため、悪行より善行を選びたいと考える特性があり、人同士の繋がり(社会)が繁栄に繋がってきた、とのこと。

紹介されていた事例の中でも、特に戦時中の前線の兵士たちに関する話し(発砲率の低さや、敵兵との交流など)については驚きが多く、タイトル通りに歴史をみる視点が明るい方向に向くような内容でした。

見ず知らずの人を信じるのは口で言うほど簡単ではありませんが、他者の行動を悪意、敵意からではなく、善意から見ていくことができそうな気がする、というよりもそうすべきかも、と考えられます。
分からないもの、理解できないものは怖いと感じますが、その感情が薄くなっていく実感がありました。

上下巻に分かれていますが、本文はそれぞれ約240ページで文字も「ビッシリ!」という感じではないため、見た目のボリューム感に反してサクッと読めます。
また、文章も細かく章分けされていて1つあたり5分〜10分ぐらいで読めて、非常にリズム良く読み進められました。

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