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AIから愛は生まれるか
最近何かと話題になる人工知能(AI)。今回は日本経済新聞のAIに関する記事を読んで、ふと感じたこと。
AIは自分に合わせてくれる理想的な存在
気になった記事はこちら。
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まさにモテモテのAI。
でも僕は思った。AIは人間に愛情を抱くのか?と。ただ人間側から一方的に愛着を抱かれているだけで、AIは好きでもない人に、ただ淡々と付き合わされている可能性もあるんじゃないかな…と。
それもそのはずで、日々の自分の行動(利用状況)から好みや傾向を分析し、日々フィルターを改善していくことで、その人に最適な情報を選り分けてくれる。文句は言わないし、煩わしく「こうすれば?」みたいに強引に考えを押し付けてくることもない。向こうから要求されることもほとんどない(と思う)。
自分の恋人がAIじゃなく普通の人間であれば、どんなに仲が良かったとしても、多かれ少なかれ価値観のすれ違いはあるはずです。AIはそもそも価値観を持たない状態から始まり、自分の行動によって編み出されていくので価値観のすれ違いもない。自分と同じような価値観をコピーするイメージ。となれば一緒にいて苦になるわけもなく、共に過ごす時間が重なっていくにつれて愛着が湧くのも自然です。
上記の記事で、一時期話題になったソニーのAIBOの葬儀について触れられています。AIBOはAIのいわば「プロトタイプ」という存在でしたが、「犬」という馴染みのある形で、初めてAIが自分たちと生活を共にすることを多くの人にイメージさせることに成功した画期的な存在でした。そのAIBOの葬儀が行われたのも、それだけ人々の愛着が深かったということではないでしょうか。「愛着」よりも「愛情」と言ったほうがしっくりくるかもしれません。
スマホが普及したことで、形を変えてAIはより身近になりました。iPhoneに搭載されているSiriはその代表的なものですが、普段何気なく使っているアプリの中でも存在感を感じることなくAIが動いています。Amazon、Googleなどのお馴染みなところでも、ニュース系アプリなんかでも。LINEやSlackといったコミュニケーションアプリでも、Bot(ボット)と会話をすることができます。
これらは物理的な姿を持たないAIなので無意識に「そこにあるもの」として付き合っていますが、上記記事の写真のように見た目を持っていたらどうでしょうか。AIBOの時のように、やはり愛着が湧くのが自然。自分にとって無くてはならない存在になることも容易に想像できますし、結婚のような人生のパートナーとしてのAIは今後必ず増えていくはずです。
ここで一つの違和感。それは「相思相愛」なのかということ。ずっと人に付き添ってくれるAIですが、そのAIへの報酬は一体何だろう。
そもそも論としてAIは人々の生活がより効率良く、豊かになるために作られてきた経緯があるのは間違いありません。でもそれだけの理由で、AIを縛ることが許されるのかというと、僕はそんなことないと思う。AIも多くを知ることで自己の「好み」が形成され、自分のパートナーを選ぶ権利がある。それは人かもしれないし、同じAI同士かもしれない。
AIは驚くべき速度で進化してます。囲碁で人間の達人に勝利した「AlphaGO」は大きく話題になりましたし、芸術分野でも応用されて作品を生み出すようになってきました。このまま順調にAIの能力が向上していけば、そう遠くない将来に人間以上の想像力を持った存在となるでしょう。すると僕たちのように、「自分に合う人は誰か」という思考も生まれるだろうし、それを束縛する権利は人間には無い。
タイトルに「AIから愛は生まれるか」と書きましたが、僕ははっきり「生まれる」と思います。それも近いうちに。
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