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WEB制作
webクリエーターとしての道 vol.2
前回の「学生時代」に引き続き、「新卒時代」をお届けします。学生から社会人として踏み出した、2010年以降のお話し。
目次
新卒時代
前回(vol.1)のレポートで、周りよりも遅い就活を終え、2月から晴れて内定先の制作会社で働く運びとなりました。
学生時代は自分なりに勉強をしたつもりでした。が、正直全く歯が立ちませんでしたね…(苦笑)
社会人初心者だったこと、絶対的にスキルが不足していたという、今思えば当たり前のようなことが原因です。さらには「協調性」という、メンバーとしての仕事の進め方、分担して制作することなどの部分も未体験ゾーン。最初っから危機感ばかりが募り、とにかく必死でした。本当に必死で、でもうまく終わらず、終電で帰るのが当たり前。終電を見送って会社に泊まるってこともしょっちゅうでした。
そんな筋肉質な生活を続けているうちに、少しずつ心の余裕も出てきたのかもしれません。今思えばですが、この時期はスキルも急激に磨かれていったのかもしれません。
仕事の内容としては写真トリミングや案出しから始まり、デザイン案の制作、HTMLコーディング、JavaScriptコーディング、PHPによるシステム構築などでした。チャレンジ案件としてObjective-CでiPhoneアプリ制作したこともありました。リリースにはならず。
点と点が繋がる体験
社会人になって気がついたことがあります。それは、今まで興味本意で広く浅く手をつけてきた点と点が、線として繋がったということ。
学生時代にLinuxや自作PCを触っていたことで、サーバーの知識が必要な案件を意欲的に対応できたように思います。C言語も入門レベルでも触っていたおかげで、iPhoneアプリ作る際にObjective-Cの理解に役立ちました。
なので思うのは、興味があって掘り下げたいことは将来役に立つか不明でも突き進むべき。確実に役立つとは言えないけれど、どこかで繋がる瞬間は来ると思います。
新社会人として学んだこと
新卒で入社した会社には、アルバイト期間を含めて1年10ヶ月お世話になりました。社会人の基礎を学ばせていただき、本当にお世話になったと感じています。今でも、そこでの経験が活きていると感じるシーンが何度あることか。そんな中でも、次の3点は今でもずっと意識しています。
プロ意識を持つ
仕事をする以上は、自分が常にプロとして仕事していることを意識すること。制作のクオリティにおいては、特に「スピード」と「質」の2つが揃うことを意識しました。それ以外では、「求められた以上の仕事をする」こと。
最近はさらに、案件と出会う度にプロ意識について考えるようになりました。「本当に求めらえれていること」を捉えることが、本当の意味で人の役に立つためには大切だと気がつきました。そのためには、言われたことだけをやる受動的な姿勢ではなく、自分から能動的に考えて提案できるぐらいの姿勢が求められていると感じます。
仕事があることの有り難さを忘れない
仕事をする中で、自分が「仕事を頂いている」ことの意味を考える機会を何度も頂きました。自分のお給料がどこからくるのか、自分が相応の仕事をすることができたのか。普段生活をしていると慣れてしまい忘れがちですが、これを知っていることは本当に大事です。入社したばかりの時期は明らかに相応の仕事が出来ていないと分かっていたので、特に悩みました。
このことは、個人事業主となった今、ますます考える機会が増えたように思います。僕は営業活動をしないスタンスですが、開業から3年経った今も不自由なく生活が成り立っているのはなぜか。そのことを日々噛み締めています。感謝。
約束を守る
当たり前のようですが、これが非常に大事です。例えば納期。制作において納期はつきものですが、事前に取り決めた納期は守ること。そして求められた成果物をしっかりと納品できること。社会で生きていく上で「信用」が最も大切ですが、信用を得るためには約束を守ることが絶対条件です。
以前、顧客からこのような話しを伺いました。
「クラウドソーシングで知り合ったフリーランスに仕事を発注したら、途中から連絡取れなくなっちゃったんだよね。」
発注したのに途中で音信不通になり終了。これは最低のケースです。しかし、このような方がいることも事実なのです。
発注を頂いたら責任を持って仕事に取り組み、納期をしっかり守る。もし、不幸が重なってしまい万が一納期に間に合わない事態になったとしても、しっかりと連絡をして説明する。基本的なことですが、非常に大切なことです。
基礎スキルを徹底して身に付けたかった時期
案件に役立つようweb制作スキルを少しでも身につけようと、本もたくさん読みました。効率良く学べることも大事でしたが、これからスキルを磨く上で土台をしっかり築いておきたいと思い、この時期からあえて入門書を読む機会も増えました。
当時主流だったXHTMLの知識を固めるために何度も読んだのが、「Web標準の教科書」でした。
XHTMLの宣言部分から解説していて、当時はコーディング時に手放すことのできないバイブル的存在。タイトルの通り、まさに教科書として相応しい内容です。
PHPプログラミングについてはオライリーの本をよく参照していました。最初に読んだのは「プログラミングPHP 第3版」。
入門レベルだった当時は基礎固めを徹底しておきたい考えが強かったので、専門書として最も信用できるものをと選んだのが本書でした。
その上でさらに読んだのが「PHP: The Good Parts」です。
こちらの本もいわゆる入門向けの内容ですが、順序としてはこちらの方が分かりやすかったと思います。なので、もし知っていたらこちらを読んでから、先ほどの「プログラミングPHP」を読む方がスムーズだったと思います。クラスやオブジェクト志向の扱い方については、こちらの方が圧倒的に分かりやすいです。
以上が、この時期にめちゃくちゃお世話になった書籍です。他にもたくさんありますが、特に覚えているのがこちらで紹介した3冊でした。
会社を作ってみたい好奇心
社会人2年目の夏、ふと次の考えが頭の中に芽生えました。「自分で会社を起こしてみたらどうなんだろう」と。まだまだ社会人駆け出しの状態で、あまり無謀ということも承知。しかし、一度湧いた好奇心に近い考えを引き下げることもできませんでした。偶然なのか、その時に会社を起こすことについて話せる友人がいたことも要因ではあったと思います。
具体的に「どんな法人の形でやるか」「場所はどこでやるか」なども話すようになり、ついに年内で退職して会社を起こすことに決めます。