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無線LAN(wifi)規格の違い
先日、使っていた無線LANルーターが壊れました...。Softbankを契約したときにもらったfonルーターですが、どうも電源が付きません。潔く新しい無線LANルーターを買おうと思った矢先、最近の無線LAN規格事情がどうなっているのか気になって調べてみました。
目次
どんな規格があるの?
まず、現在主流となっている5つの規格を比較してみましょう。左から速度の速い規格です。
規格 | 11ac | 11n | 11a | 11g | 11b |
---|---|---|---|---|---|
通信速度 | 433Mbps (最大:3,464Mbps) | 150Mbps (最大:600Mbps) | 54Mbps | 54Mbps | 11Mbps |
ストリーム数 | 8 | 4 | 1 | 1 | 1 |
周波数帯 | 2.4Ghz/5.2GHz | 2.4Ghz/5.2GHz | 5.2GHz | 2.4Ghz | 2.4Ghz |
電波干渉 | 少ない | 少ない | 少ない | あり | あり |
用途 | 最も速度のある規格。Netflixのような映像ストリーミングなど、光回線の高速インターネットを活かした使い方が可能。ストリーム数も多いため、繋ぐ機器が複数ある場合にも有効 | 11acの次に高速の規格。こちらもストリームが4本あるため、複数の機器を同時接続しても速度が落ちづらい。 | 5.2GHz帯を使うため電波干渉が起こりづらい規格。 | 対応機器が多く、wifiとして広く普及した規格。速度は11aと同等だが、2.4GHz帯を使用するため場所によっては家電と電波干渉しやすい。11bと互換性あり。 | 速度としては最も遅く、電波干渉にも弱い。 |
無線LANの速度ですが、主に「通信速度」と「ストリーム数」の掛け合わせによって決まります。例えば「11ac」であればストリーム数が8本、通信速度がストリーム1本あたり433Mbpsです。そのため、8本のストリームをフルに使った場合は「433 × 8 = 3,464Mbps」となり、理論上は最大なんと約3.4Gbpsもの速度で通信することが可能です。他を圧倒していることがわかります。
速度の単位で使用している「Mbps」は「Mega bits per second」の略で、1秒間に通信できるビット数を表します。バイトではないので注意。
11acの1秒間に通信できるデータ量は433Mビット。この数値をバイト換算すると、およそ54Mバイトになります。Netflixという動画ストリーミングサービスでも1秒あたりの通信量は0.3Mバイトなので、54Mバイトがいかに余裕のある値かが想像できると思います。
その他に「周波数帯」も使用する環境によって速度に影響します。2.4GHz帯は電子レンジなどの家電にも広く使われているため、場所によって電波干渉が起こってしまい通信が不安定になる可能性があります。一方で5.2GHz帯は他の機器では使わっておらず干渉が起こりづらいため、通信の安定しやすい周波数帯と言えます。
ちなみに、無線LANのことを「wifi(ワイファイ)」と呼ぶことも多いですが、呼び方が違うだけで指しているものは同じです。どちらも間違いではありません。
市販されている製品を比較
現在市販されている無線LANルーター、実際はどのぐらいの規格に対応しているのでしょうか。試しにamazonで「無線LAN」と検索してみました(※結果ページはこちら)。記事を書いている時点では、バッファローの全規格(11ac/n/a/g/b)に対応したこちらの製品がもっともポピュラーなようですね。料金も5千円強と可もなく不可もなく、といった価格。
同じページを見ると、NECの製品やASUSの製品など他メーカーでも同じ価格帯で同等の性能な製品が出ていますね。ELECOMもありますが、有線LANポートの速度が他製品より遅いので注意してください。ここに挙げた製品の仕様を見る限り、どれも11acに対応していて最大速度が867Mbps(ストリーム2本)と大差なさそう。これだけの性能があれば普通に使う分には十分です。PS4やWii、スマホ、タブレット、ノートPCなどを同時に繋いでも耐えうる性能。とりあえず選択肢は十分にあって困らなそうです。
使用上の注意
最後に、無線LANルーターを使う上で気をつけておきたい3つのポイントを紹介します。
ルーターと繋ぐLANケーブルをチェック
「ルーター」と「無線LANルーター」は紛らわしいですが別物。ルーターとは光回線が繋がる、インターネットへ接続するための親機です。無線LANルーターは、親機であるルーターとは有線のLANケーブルで繋ぐ必要があります。その際に、有線LANケーブルの対応速度にも注意してください。
現在市販されているLANケーブルは大体が1000Mbpsに対応していますが、もしお手元のLANケーブルが古い場合、100Mbpsまでの対応である可能性があります。光回線や無線LANルーターがいくら高速でも、そのケーブルでは速度を全く活かせません。もし不安な場合は、無線LANルーターとセットで購入しましょう。
無線LANを繋ぐ機器もチェック
無線LANを飛ばす方が最新の11ac規格に対応していたとしても、受け取る側が11ac規格に非対応であれば全く意味がありません。もし対応していない場合でも、通常は無線LANルーターが自動的に11nや11aなど他規格で繋がるかを検証するので問題ありませんが、もし11acの速度を期待して購入していたら残念な結果になります。全く繋がらないってことはさすがに無いと思いますが、無線LANルーターを購入する前に、繋げる予定である端末の対応規格もチェックすることをお勧めします。
また、繋ぐ機器の台数も併せて確認しておいた方が失敗しません。ゲーム端末、家族のスマホ、ノートPCなど合計10台以上になりそうであれば、それだけの数を裁ける製品を選ぶ必要があります。先ほど紹介した製品はどれも6台ぐらいまでは大丈夫です。
置き方
無線LANルーターは買ってもすぐに故障する。そんな経験はありませんか?早く故障する原因はズバリ「熱」。置き場所、置き方によって、機内に籠る熱も変わるため製品寿命に関わってきます。もし縦置きのルーターなのに横置きで使っていると、当然ですが熱が篭りやすくなり製品寿命が短くなってしまいます。24時間・年中無休で動き続ける大切なインフラ機材なので、風通しの良い場所へ、製品にあった置き方で設置して使用するようにしましょう。
2016/10/10 追記:
実際に無線LANルーターを選ぶ記事を書きました。
「どの無線LANルーターにするかで悩む」