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「すベての悩みは脳がつくり出す」を読んだ

茂木健一郎先生が、私たちが生きていく中でよく抱く疑問・悩みについて、脳科学の見地からアドバイスをしてくれる一冊です。

目次

帯にある「ココロが軽くなる!」は本当

本書に収録されている質問は全部で50。これらの質問に対し、1つ1つ丁寧に、しかも脳科学の知見を交えながら回答していくというものになっています。

50個の中にはおそらく、私たちが一度は疑問に思ったこと(もしくは悩んだこと)が混ざっているのではないかと思います。個人的に気になった質問をいくつかピックアップしてみます。

  • 効果的なストレス解消法を教えてください。(Q2)
  • 自分に自信が持てません。どうしたらいいでしょうか。(Q6)
  • 他人とのコミュニケーションが苦手で、苦労しています。自立できるでしょうか。(Q9)
  • お酒を毎晩飲んでいると、バカになりますか。(Q13)
  • 朝起きてすぐに脳を活動的にする方法を教えてください。(Q15)
  • 旅行することは脳に良いのでしょうか。(Q17)
  • どうすれば集中できるようになりますか。(Q19)
  • どうしてもやる気が出ません。やる気が出る秘訣を教えてください。(Q20)
  • 脳にとって適正な睡眠時間は、どれくらいでしょうか。(Q22)
  • ひらめきを良くする方法はありますか。(Q23)
  • 私は頭が悪いのですが、どうしたら良くなるでしょうか。(Q24)
  • 英語の本を読むときには、辞書を引きながら読むほうがいいですか。(Q26)
  • 英語の学習を始めるのは、早ければ早いほうがいいのでしょうか。(Q27)
  • 短時間でフロー状態になるための秘訣があれば教えてください。(Q31)
  • 頭が良いということは、何を意味するのでしょうか。(Q33)
  • ひと目惚れとは、脳の働きから見てどういうことなのでしょうか。(Q34)
  • 創造性とは、何でしょう。(Q35)
  • 個性は、遺伝で決まるのですか。(Q49)
  • 人間の個性とは結局、何なのでしょうか。(Q50)

書き出して改めて見ると、結構多い。これでも一部なので、もしここは無い悩みをお持ちの方はぜひ目次だけでも見てみてください。

1つあたりの回答は3、4ページなので、3分〜5分程度でサクッと読めます。

合気道のような柔軟性に富んだ回答

肝心の内容ですが、悩み相談にありがちな回答者の経験談や考え方からズバッと答えるものではなく、「脳」は科学的にはこういう側面があって…というような論理的なアドバイスがベースになっていることが特徴。体育会系なノリではなく、むしろ真逆で「個性」をそのまま受け入れて、無駄に押さえ込まないようにしましょう、という合気道のような柔軟性に富んだ回答となっています。気付きそうで気づけなかった、「なるほど」がたくさんありました。

個々の個性を、そのまま丸ごと受け入れようということが、脳科学のいちばん重要なメッセージだと考えています。

P.187 第5章「Q50 人間の個性とは結局、何なのでしょうか。」より引用

個性を受け入れるってワードは一見綺麗事のように思いがちで、「それができたら苦労しない」という声も聞こえてきそうです。というか僕がそう思っている部分があり…。みんなそれぞれ個性があることは頭で分かっていても、どうしても比較してしまうところがあってなかなか難しい。そんな思いを抱きながらも、本書を読んで改めて「人の個性」を受け入れ、付き合っていくことの大切さを感じるのでした。

悩みがあって悶々としている方、なかなか前に進めないと感じている方はぜひ一度手に取ってみてください。

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