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「堀潤の伝える人になろう講座」を読んだ

「堀潤の伝える人になろう講座」を読んだ

情報を発信する側になる理由、自分はどんな情報を発信するかを考えるところから、どんな方法で発信するかまでが解説された、まさに「伝える人」になるための一冊。

目次

どうして情報を発信する側になるの?

そもそも、なぜ情報を発信していく必要があるのか。
日々ニュースサイトやテレビ、新聞、雑誌、もしくはSNSでニュースを受け取るだけではダメなのか。

もしくは、情報が溢れかえってる今、自分がなにか身の回りのことを発信したところで、埋もれてしまって誰にも届かないのではないか。

本書を手に取る前には、このようなネガティブな感情が渦巻いていました。

しかし著者は本書の中で、情報を伝える力をつけることが、情報を受け取る力をつけることになる、と何度か繰り返し書かれています。
その中でも、一番「なるほどな」と思ったのが次の一文でした。

自分が情報の受け取り手であり続けるのではなくて、生産する側に回ることで、情報の内側に込められた、あるいは隠されていた多様なものの見方、意見に触れることができる。

P.219 「5章 メディアの多様性が社会を豊かにする」より引用

こちらの一言が非常にしっくりきたのは、当サイト「GRAYCODE」でプログラミング関連の記事を書く経験から、技術系の雑誌(SoftwareDesignなど)やサイト上の記事を読むときに、記事の触れ方が変わったから。
コードをどうやって説明すると分かりやすいか、すぐに使える実践的な内容になっているか、そもそもコードがちゃんと動くかなど、記事を1つ書くことって想像していたよりも考えることが多かったり、コードを検証する手間がかかります。
実際に自分で記事を書いてみると、雑誌などの記事で解説文を読んだときに「これ、検証大変そうだなぁ」とか、「よくこれだけ丁寧に根気強く解説しているな」といった、コード自体を学ぶ以外にも感心するポイントが増えました。

その経験が、自分で何かしら情報を発信してみることが、別の人の情報を受け取ったときに表側の掲載された内容だけじゃなく、裏側の制作過程を想像することに繋がり、より多くの情報を得ることができるようになる
そういうことなのかな、と。

僕はこのように納得できただけでも、情報を発信することにはやはり意味があると感じることができました。

本書の構成

前置きが長くなってしまいましたが、本書の構成をご紹介します。

  • 1章 – メディアはそもそも「フェイク」を内にはらんでいる
  • 2章 – 個人とメディアの「情報リレー」がちょっといい社会をつくる
  • 3章 – 伝えるスキル 基本編
  • 4章 – 伝えるスキル 応用編
  • 5章 – メディアの多様性が社会を豊かにする

1章と2章では、「なぜ自分たちが情報を発信する側になるのか、その理由のベースとなる部分の解説です。
世の中に出回っている「フェイク」を孕んだ情報とどう向き合っていくか、個人の情報発信が現場の「リアル」を伝える手段として強力な理由が書かれています。

3章からは、自分で情報発信するための具体的な方法に入ります。

そもそも、自分がどんな情報を発信するのか具体的にイメージすることはとても難しいと思います。
本章では、「どんな情報を発信できるか」を知るための、次の3つのステップで考えられるようになっていました。

Step1. あなたは何の当事者ですか?

自分の仕事や趣味など、普段接しているものから専門性を探ります。
自分では「こんな情報って価値あるの?」と思ってしまうようなことでもOK。
専門性を探る上で重要なことは、情報の基盤となるファクト(事実)を集められるか、というところ。

Step2. ゴール

誰かに情報を伝えることで、どんなことができるかを考えます。

Step3. 対象

Step2の目的を達成するために、どんな人に向けて情報発信をしたいかを考えます。

続く4章では、写真や動画の撮影方法、編集についてなど、コンテンツ制作に踏み込んでいきます。
発信する「場」についても解説されていて、ブログ(note、LINEブログ、アメブロ)、SNS(facebook、Twitter、Instagram)、情報共有サイト(YouTube)など、それぞれのメディアの特徴も書かれています。

特に伝え方の部分で重要なのは、次の3つのポイント。

大きい主語より、小さい主語

主語が大きすぎると、想定しているターゲットが曖昧になり、誤解されやすくなってしまう。

オピニオン(意見)より、ファクト(事実)を重視

意見よりも、実際に起こったこと、具体的な数値を重視する。
割合はファクト8割、オピニオン2割ぐらいがちょうどいい。

文章における起承転結

文宗の基本として使われている「起承転結」の構造を意識し、伝わりやすい文章となるように構成する。

そして最後の5章では、情報発信の可能性について言及されています。

本書の内容を踏まえ、早速やってみたこと

まずは3章の「自分はなんの当事者なのか?」の3ステップ、自分なりに再度考えてみました。

Step1 自分の専門分野

日々の制作案件で培ったPHPプログラミング

Step2 ゴール

同じプログラミング言語を使っている人の制作の効率化を推進。

Step3 対象

  • PHPを使ってみたい人
  • 制作案件で実装方法が分からない人
  • PHPを使って想定する機能を実装できるか知りたいディレクター
  • PHPプログラミングのドキュメントを書いているテクニカルライター
  • 自分(備忘録)

ちょっと無理やり感ありますが…こんな感じでした。

4章の実践的なヒントである「大きい主語より、小さい主語」、「オピニオン(意見)より、ファクト(事実)を重視」、そして文章構成の起承転結。
これらも今後しっかり取り入れていきます。
起承転結は個人的に苦手意識があるため、より強く意識せねば。

本書はタイトル通り、伝える人を育むためのヒントが詰まっています。
誰かに何かを伝えたい想いを抱き続けている人、フェイクニュースが多くてどの情報を信じていいか迷っている人、SNSやブログの使い方が分からない人には特に有用な内容なのでオススメします。

もっともっと、伝える人が増えますように。

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