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青色申告の特典について

青色申告の特典について

青色申告は控除がお得なのは分かるけど、他にはどんなメリットがあるの?そんな疑問をスパッと解決できるよう、青色申告の特典について解説します。

目次

控除だけじゃない青色申告

個人事業主の方は、控除がつくから青色申告にしている人も多いと思います。特に青色申告の10万円控除と白色申告とでは、帳簿や申告の手間にそこまで大差ありません。そのため、「とりあえず」青色申告を選択している、ってこともあるのではないでしょうか。

しかし、青色申告のメリットは控除だけではありません。主に、次のような特典があります。

  • 青色専従者給与
  • 少額減価償却資産の一括償却措置
  • 貸倒引当金の経費計上
  • 純損失の繰越控除

1つ目の特典は控除と並んで注目されることもあるので、知っている方も多いと思います。「少額減価償却」とか少し硬い名前が並んでいますが、中身を見ると「あーそういうことか!」と納得できるはずです。青色申告のメリットをしっかり享受するために、1つずつ特典の内容をみていきましょう。

自分に関係なさそうな項目はスキップしてくださいね。自分の場合でいうと、独身なので1つ目の特典は本当興味ありません。

青色専従者給与

こちらは、一緒に暮している妻・夫、または子供に給与を支払った場合、その金額を経費として計上できる制度です。逆に言えば、この制度を利用しないと身内への給与は経費になりません。

給与を支払った分が経費になるわけですから、節税にも大きく貢献します。給与を受け取った人は給与所得控除もあるので、全体で見るとさらにお得。もし身内の人で仕事を手伝ってくれそうな人がいたら、ぜひこちらの制度を活用してください。

注意点が2つ。この制度を利用するには青色申告と同様に税務署へ事前申請が必要ということ。2つ目は、給与として支払う額が事業規模で見て明らかに大きい場合は認められないということです。

事前申請

思い立ったにすぐ始められたら便利ですが、事前に申請する必要があります。期限も決まっていて、経費に算入したい年の3月15日までに申請する必要があります。そのため、7月に思い立ったとしても、その年から経費算入することはできません。早くても次の年からの開始となります。確定申告と同じぐらいのタイミングで申請しましょう。

肝心な申請書ですが、国税庁ホームページの「青色事業専従者給与に関する届出手続」ページより、「申請書様式・記載要領」からPDFファイルをダウンロードすることができます。(直接ファイルをダウンロードしたい場合はこちらから

給与の金額

先述の通り、こちらの制度は事前申請が必要です。その際に、給与の額も決めて提出する必要があります。開業した年であれば別ですが、事業2年目で提出する際は前年の事業収入から金額が妥当かを確認されるので、不自然な金額にならないようバランスを考える必要があります。収益に対して給与の金額が大き過ぎると怪しまれます。バランスが大切。

例えば、ある年の事業収益が300万円だったとします。その中で、身内への給与が月々20万円ずつ支払っていたとすると、年間240万円。すると、事業収益は300万円 – 240万円で60万円の利益となりますが、これはあまりにも金額のバランスが不自然です。あくまで目安ですが、最大でも事業主と同じぐらいの給与とすることが適切でしょう。

同じ個人事業主の方から聞いたのですが、給与がきちんと振り込まれているか確認するために、確定申告時に受け取っている人の預金通帳も提出するよう求められたみたいです。どこの税務署でも同じ対応をしているかは分かりませんが、頭の片隅にでも覚えておくと、いざというときスマートに対応できるかもしれません。

少額減価償却資産の一括償却措置

こちらは、事業で使う機材の購入金額が30万円未満であれば、一括経費として償却できる制度です。通常、減価償却では耐用年数から月々の償却する金額が決まりますが、そんな計算をすっ飛ばして一括経費処理できちゃいます。便利ですね。

収益の多かった年は、11月・12月あたりに備品を買って経費計上し、節税することも可能です。ただし、年間で合計金額300万円までとなっているので注意してください。また、この制度は特例措置となっていて、記事執筆時点では平成30年3月31日までに購入したものまでが対象となっています。それ以降については、利用する前に期限の延長があったかをチェックしておきましょう。

貸倒引当金の経費計上

商品やサービスを提供しても、その時点では売掛金として計上し、後日お金を受け取ることもあると思います。その後、もし取引先の倒産などで請求した金額を受け取れない可能性がある場合、年末時点で売掛金の5.5%を上限に貸倒引当金として経費計上することができます(事業が金融関係の場合は3.3%が上限です)。

その後、お金を受け取れないことが確実となった場合は全額を貸倒引当金繰入することができます。こちらは青色申告・白色申告に関わらず行えます。

純損失の繰越控除

事業年度において赤字となってしまった場合、青色申告では翌年へ赤字額を繰り越すことができます。

例えば、2015年度の事業は300万円の赤字だったとします。2016年度は前年度の準備が功をなし、1,000万円の黒字に転換しました。
すると、白色申告であれば1,000万円の収入を基準に申告することになります。ところが、青色申告では前年度の赤字額を繰り越せるため、1,000万円から赤字額300万円を差し引いた700万円を基準に申告することができます。

ちなみに、こちらの制度では最大3年まで繰り越すことができます。現実的に考えて3年以上の赤字繰り越しは事業として厳しいかもしれませんが…。

以上、青色申告の特典についてみてきました。知っていてこそ活用できる制度なので、利用できる制度はバシバシ使っていきましょう。
次回以降は確定申告の手順を解説していきます。

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