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WEB制作
著作権/コピーライト(Copyright)について
WEB制作に携わるうえで知っておきたい、著作権やコピーライト(Copyright)の表記についてまとめました。
目次
著作権/コピーライト(Copyright)について
制作に携わる方であれば度々耳にしていると思いますが、著作権とは創作物を第三者の悪意から守るために国で定められた法律です。また、サイトやアプリでは一般的なことですが、創ったものが海外で使用されるケースも考えられるので、国際的にも条約として定められています。その条約はベルヌ条約と万国著作権条約です。
この2つの主な違いは、ベルヌ条約が「無方式主義」であり、万国著作権条約が「方式主義」であるという点です。
無方式主義は著作物(制作した物)がつくられた時点で著作権が発生し、特に著作権に関する記載(コピーライトなど)を行ったり、著作権の登録申請を行う必要はありません。一方で方式主義は著作物に対して著作権者(つくった人/所有する人)が著作権を持っていることを明記し、登録申請をしなければ保護されないという特徴を持っています。
上記のような違いがあって紛らわしい感じがしますが、ベルヌ条約と万国著作権条約の両方に加盟する国については、ベルヌ条約が優先して適応されることになっています。そして、現在はほとんどの国がベルヌ条約に加盟しているので、なにかを制作した時点で著作権が発生します。したがって、実際のところコピーライトを記載しなくても著作権で守られます。
著作権の記載をした方が良い理由
それでは、多くのサイトではなぜ「コピーライト」を記載しているのでしょうか。
これは、仮に著作権の記載をしていない状態で著作権が侵害されてしまったとき、「著作権があることを知らなかった」と言われてしまうことがあるためです(これを「善意の侵害者」と言うようです)。このように主張されてしまうと、アメリカでは法的に責任を問うことができません。
しかし、ちゃんと「コピーライト」などの著作権について記載をしていれば、この主張は認められないことになっています。そのため、例えばサイトであれば全ページの共通パーツであるフッターなどに、著作権があることをきちんと明記しておくことが法的に無難とされています。
そこで、普段何気なく書いている「コピーライト」について、国際的にちゃんと通用する書き方をここで確認しておきましょう!
コピーライト(Copyright)の書き方
コピーライトの書き方については、方式主義である万国著作権条約によって以下の3つが定められています。
- ©(丸の中にアルファベットのシー)
- 著作権者の氏名
- 発行年
上記3つの書く順番は決められていませんが、「©2014 Kohei」といった「©」「発行年」「著作権者の氏名」の順で見かけることが多いと思います。したがって、特に理由がなければその順番で問題ありません。
©(HTMLコードでは「©」)は端末で文字コードが対応していないことがあるので、「(c)」(カッコで囲んだアルファベットのシー)でも大丈夫です。また、「Copyright©」の表記について、©が「Copyright」の略なので、厳密には「Copyright」の部分は必須ではありません。
著作権者の氏名が複数ある場合は、全ての氏名を書く必要があります。また、その人を特定できるのであればペンネームも使用できます。
発行年は最低でも発行した年だけは書く必要があります。よく発行年から現在の年までの表記(2004-2014など)を見かけますが、この書き方も有効です。
しかし、現在の年のみを表記した場合、その年が発行年ということになってしまうので注意してください。
コピーライトの記載例
ここでは仮に、「株式会社HogeHoge」が2012年に自社のwebサイトを制作したという設定で、コピーライトを書いてみます。
OKな例:
- Copyright© 2012-2014 HogeHoge Co.,Ltd.
- © 2012-2014 HogeHoge Co.,Ltd.
- © 2012 HogeHoge Co.,Ltd.
- (c) 2012 HogeHoge Co.,Ltd.
- HogeHoge Co.,Ltd. 2012 (c)
NGな例:
- © 2014 HogeHoge Co.,Ltd.
- Copyright 2012-2014 HogeHoge Co.,Ltd.
「All rights reserved」について
よくコピーライトの末尾に「All rights reserved」が書かれているのを見たことがあると思います。
この表記はベルヌ条約より前にあったブエノスアイレス条約で定められた著作権表示で、万国著作権条約とは全く関係がありません。そして、現在はブエノスアイレス条約の加盟国は全てベルヌ条約に加盟しているので、現在は特に意味のない表記となっています。
以上となります。
著作権や表記の方法について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事は、自分自身が日々の制作の中で何気なく使用してきたコピーライトについて疑問を持ったことが起点となっています。同じ制作活動をされる方々にとって、お役立ちすることができましたら幸いです。