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「未来の年表」を読んだ

少子高齢化が進んでいる日本において、将来起こる可能性の高い現実的な問題を年表形式で解説しながら、同時に対策も提示している一冊です。

日本が直面している問題に真っ向から向き合うための一冊

日本では少子高齢化が進んでいる。
これ自体は聞き慣れた言葉で、漠然とでも「ちゃんと対策しないと将来まずいことになる」と考えている方も多いと思います。

自分もいま我の強い祖父の介護に苦労している両親の様子を目の当たりにしたり、年々上がり続ける健康保険や年金の金額に悩みながら生活しています。
その中で、高齢者が増えていくのに支えられる人が減っていく歪な現行制度に疑問を持っているところから本書を手に取りました。

冒頭の部分では、これから日本で起こるであろう著者の想定による「人口減少カレンダー」が書かれています。

この部分だけでも十分衝撃的ですが、このカレンダーの内容を解説していく第1部を読んでいる間は常に暗い気持ちでした。
しかし現に人が生活している以上、将来非常に高い可能性で起こり得る現実です。

第2部では人口減少に対してどのように向き合っていくかの著者の考えと指針が示されています。
その中でも特に以下の2つは現実的で素晴らしい案に感じました。

非居住エリアを明確化

今後人口が減っていくと、いまは当たり前のように使うことができている行政サービスだったり、電気や水道、ガス、道路、インターネットのようなインフラを全国的に維持していくことは非常に難しくなっていきます。
そこで、人が住むことができる「居住エリア」を決めて行政サービスやインフラを提供するエリアを今よりも集中的に行うことで、サービスの提供やインフラの維持を効率的に行うというのが本書で提案されています。

外を歩いたり車の運転をしていると、一年中どこかしら道路は工事しています。
最近は高速道路も老公化が進み、大規模なメンテナンスが実施されることも増えてきました。
高速道路はまだしも、普段あまり使われていない道路でも修復工事を行っているのを目にする度に「もったいないな」と思うことがありました。

これは自分が感じていることの一例ですが、いまある道路をすべて維持しようとするのはこれから難しくなっていくんじゃないかな、と思います。

社会保障費循環制度

2024年に人口ボリュームの大きい団塊世代の方々が全員75歳以上になり、さらに2050年には次いで人口ボリュームが多い団塊ジュニア世代の方々も75歳以上になります。
このまま進んでいくと2036年には3人に1人が高齢者の方になり、勤労世代2人が1人の高齢者を支えなければならない悪夢ような状態になります。
今でさえ十分に高くなってしまっている健康保険や年金は今後も留まることを知らずにどんどん増えていくことを意味します。

そこで本書が示されている策の一つとして、高齢者が使用した社会保障費を死亡されたタイミングで残った財産から国に返還する、というものです。
これであれば存命のときはいまと変わらない社会保障を受けることができ、遺族も残された財産から返還するため損することがなく、さらに今の勤労世代や次代を担う子供たちが増え続ける社会保障費に苦しめられる状態が緩和される(はず。。。)

社会保障費は使用する金額も当然個人によって差異があるため、使った分を返す仕組みは多くの人にとってフェアなんじゃないかな、と思ったわけです。

ただし死亡後に残ったお金で返還できない場合もあるため、課題もあります。

本書を読んで、人口減少の勢いや年齢別の人口比率をイメージしながら、自分が将来抱えるであろう問題を改めて考えることができました。

少子高齢化社会について鬱々とした想いを抱いている方は、一読してみるとより具体的なイメージを得られるかもしれません。
コミック版もあるため、文字が苦手な方にもオススメしたい一冊でした。

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