コンサルティングとは何か
著者:堀 紘一
出版社:PHPビジネス新書(2011/04/26)
形式:新書(¥886)、Kindle(¥730)
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本
ドリームインキュベータの堀紘一さんによる著書「コンサルティングとは何か」を読みました。
きっかけは友人からの勧めでした。
正直、勧められるまでは著者のことも、ドリームインキュベータのことも全く知りませんでした。
さらに言うと、コンサルティングに対しても抽象的でモヤっとした印象しか持っていなかった。
よく分かっていないからこそ、どんな人がコンサルタントという仕事をしているのかに興味があり、友人から本書を借りて読んだのでした。
ちなみに、著者の創設した株式会社ドリームインキュベータのサイトはこちら。
ドリームインキュベータ 公式サイト
本書ではタイトル通り、「コンサルティング」という職業の人が、どんな仕事をしているかについてまとめられています。
まず著者が分類しているコンサルティングは次の4種類。
これらのうち、著者の土俵となっているのは「経営戦略コンサルティング」。
文字通り、企業の経営戦略を考案し、提案し、売り上げや利益を伸ばすこと、または競合企業との差を引き離すような結果を出していくという仕事です。
多くの企業は営利組織ですから、その本質的な部分に対して結果を出すために雇われる「傭兵」のような存在。
経営戦略と言っても、商品や顧客のこと、さらに抱えている問題については社内の人間が一番よく知っていると考えがち。
というか自分もそれは一理あると思いました。
しかし著者は次の理由から、コンサルタントという傭兵を雇うメリットがあると言われています。
最初の2つについては、普段から馴染み過ぎてしまっているための弊害とも言えそう。
社内の人間は確かに特定の商品や顧客については詳しいかもしれませんが、全体的に客観視するにはあまりに主観が入り過ぎてしまいそうです。
特に過去の成功体験というのは忘れ難く、それが原因で保守的な行動を取ってしまうことも納得。
4つ目の経営戦略についてはコンサルタントは様々な業種の異なる企業で戦略を立案してきたプロなので、これは確かに心強い。
外部から経営戦略のプロを雇い、今後の戦略を考えるメリットは非常に大きそう。
本書ではホンダ(本田技研工業)やユニ・チャーム、JALなどの有名な企業での経験談も盛りだくさんなので、コンサルタントという仕事がいかに地道で、時間と労力を使うかを想像することができます。
特にホンダのエピソードは強烈。
コンサルティングの料金は非常に高価なことはよく知られていますが、得られる成果を加味すると、企業としては納得できるものなのだと思えるまでになりました。
本物のコンサルタントは、机上の空論を振りかざすようなことはしない。
経営戦略コンサルティングという仕事の内容について知ることができるのはもちろんのこと、さらに広く「プロフェッショナルの仕事」についても考えさせられる部分があります。
仕事に対する考え方、問題について考える力、体力、ノートの取り方などの姿勢など。
少し強烈だったのが、日本企業で働いているサラリーマンのほとんどは「アマチュア」という意見。
自分みたいな奴がいうのもなんだけど、これは事実だと思う。
コンサルタントがどういう仕事をしているか知りたい方、プロフェッショナルの仕事について知りたい・考えたい方は一読する価値があると思いました。