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「往復書簡 初恋と不倫」を読んだ

「往復書簡 初恋と不倫」を読んだ

ドラマ「カルテット」や「最高の離婚」の脚本家である坂元裕二さんによる著書。2篇の小説が収録された、誰かと言葉のキャッチボールをしたくなるような一冊。

初冬にぴったりな小説

急に寒くなりましたね。
秋は何処へ。
そんな時期にぴったりな本書をご紹介。

本書は「不帰の初恋、海老名SA」と「カラシニコフ不倫海峡」の2篇からなります。
いずれも2人の男女による手紙や電子メールのやり取りで進んでいきます。

いずれも恋人同士ではなく、むしろ少し遠いぐらいの距離感から始まります。
おそるおそる。

時に急展開ですが、全体的にはゆったりしています。

著者の作品に登場する、独特な雰囲気を持った人々。
普通といえば普通なんだけど、どこかユニーク。
テキストに個性が現れるんだなーと改めて感じました。

本書を読んで、気になる異性と連絡を取っている時の感じ、会いにいく時のソワソワする感覚が蘇った。

最近ではLINE、SNSとネット上で誰かとリアルタイムでやり取りすることが圧倒的に多くなりました。
あまりに簡単に、当然のように連絡が取れてしまうので、感覚的にはむしろ人との距離感が遠くなった気さえすることがあります。
機械的というか。

でも、誰かが自分に言葉を綴ってくれることは、本来は温かくてとても尊いこと。
そんな感覚が湧いてきます。

そして、中学生のときに好きな女の子と文通をしていたことを思い出しました。
当時は携帯電話はなく、ノートを小さく破ってシャーペンで書いてました。
女子はプリクラとか貼っていたような。

何気ない言葉が刺さってくる

本書の中に出てくる、「その人の前を通り過ぎるという暴力」という言葉が刺さりました。

自分も誰かの前を通り過ぎたことはあるし、逆に誰かが通り過ぎることもあった。
これはきっと誰もが経験していることではないでしょうか。

最後に、本書を読んでいて、ふと「自分の心に直接、誰かの声が届くのってどういう感じだろう。」と考えました。
これは本書の内容とは無関係ですが、テレパシーのように会話をすることができたら、どういう感覚だろう。

頭の中で考えたことと、相手との会話をうまく切り分けられるだろうか。
本来なら言わなくていいはずの卑猥なことまで伝わってしまうのではないか。
テクノロジーとかことごとく無視しているけど。

少し脱線しましたが、心がほっこりするお話しなので、これからの季節にはぴったり。
今週末は雨のようなので、コーヒーのお供にも最高です(もちろんお茶・お酒にも)。
ぜひ。

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