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「ゼロ年代の想像力」を読んだ

評論家の宇野常寛さんによる著書です。多くの人が触れてきたサブカルチャーを通し、2000年〜2008年の間で起こった人々の考え方の変化を分析している一冊。

目次

あらすじ

最初に、正直に告白しておきます。僕は本書の内容を、おそらく1割程度しか理解できていない(いや、もっと理解していないかも)。なので、あらすじの紹介については、まず本書の第一章から引用させていただきます。

本書はゼロ年代 – つまり2000年から2008年ごろまでの国内文化、とりわけ小説、映画、漫画、テレビドラマ、アニメーションなどの「物語」に着目し、その想像力の変遷を追う。(第一章 問題設定「1.ノートの中央に、一本の線を引く」位置No.42より引用)

この1文の通り、本書には実に多くの作品が登場します。漫画では「ドラゴンボール」「ワンピース」「ジョジョの奇妙な冒険」「DEATH NOTE」、アニメでは「新世紀エヴァンゲリオン」、「無限のリヴァイアス」、「コードギアス 反逆のルルーシュ」。ドラマでは2000年以降にヒット作を連発している工藤官九郎さんの作品「池袋ウエストゲートパーク」、「木更津キャッツアイ」、「マンハッタンラブストーリー」、木皿泉さんの「野ブタ。をプロデュース」などを取り上げ、これらの作品が、その時になぜ多くの人に受け入れられ、影響を与えたのか。その時代に生きる人々の思考を、論理的に分析していく内容。

個人的には内容が非常に難解に感じられたのですが、僕自身に致命的な理由が1つあります。それは、自分が本書に登場する作品に触れてこなかったこと。これは明らかに良くなかった。出てくる作品のタイトルやストーリーをぼんやり知っているかも、程度です。本当に好きで見ていたのはDEATH NOTE、エヴァンゲリオン、ワンピースぐらいでした。登場する作品にもう少し触れていたら、本書の内容についてももっと理解できたかな…とも思っています。

本書を手に取った経緯

著者である宇野さんについては、Twitterを経由してJ-WAVEの深夜ラジオ「THE HANGOUT」に出演していることを知り、聴いてみたらキレキレの発言が面白くて毎週聴くようになっていました。その後も宇野さん率いるユニット「PLANETS」の雑誌を拝読したり、渋谷ヒカリエで開かれるイベントへ足を運んでいくうちに、社会に対する反骨精神や「面白いことをしたい」姿勢に共感する部分があり、活動内容に注目していました。

そういった経緯の中で本書を手に取った形になります。そのため、著者のことを全く知らない状態だったら、本書の存在を知らずに手に取ることができなかった可能性が高いかもしれません。

個人的にオススメしたい1冊となった理由

本書について理解が浅いにも関わらず、どうして記事を書くに至ったのかというと、2つの理由があります。1つは、自分のメディアをインプットする姿勢に、新しい思考を加えることができたこと。2つ目は、本書を読むうちに自分が今まで触れてこなかった作品に対し、改めて触れてみようと思えたからです。例えば、本書には次のような作品が登場します。(全網羅してません)

  • バトル・ロワイアル
  • 仮面ライダー龍騎
  • 無限のリヴァイアス
  • 新世紀エヴァンゲリオン
  • LIAR GAME
  • 機動戦士ガンダム
  • 幽☆遊☆白書
  • 遊☆戯☆王
  • ジョジョの奇妙な冒険
  • コードギアス 反逆のルルーシュ
  • 池袋ウエストゲートパーク
  • タイガー&ドラゴン
  • マンハッタンラブストーリー
  • 木更津キャッツアイ
  • 野ブタ。をプロデュース
  • ワンピース
  • ドラゴンボール
  • ポケットモンスター

これらの作品を、本書に書かれている時代背景を意識しながらインプットしていく。これがすごく面白そう。

単純に、作品に対して「いつか読んでみたかった」ような気持ちも持っていました。しかし、今回は強く「観てみたい」と思うのです。それは著者の文章の中に、作品に対する想いというか、熱のようなものが感じられるからかもしれません。

僕が今まで見てきた「DEATH NOTE」や「エヴァンゲリオン」についても、時代に沿った考え方が反映されているなんて想像もしませんでした。そこで、すでに触れてきた作品についても、思考の切り口を変えながら改めて見直してみたいと考えています。

上記の作品に触れてこなかった方の中に、もし僕と同じように「実はいつかは観たいと思ってたんだけどね…」と考えていたのであれば、まず本書を手に取ることでインプットの視野が広がるのではないでしょうか。そして、これらに触れた後で、改めて本書を読んでみる。そういう意味では2度楽しめる、非常にユニークで貴重な1冊です。

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