神の子どもたちはみな踊る
著者:村上 春樹
出版社:新潮社(2002/02/28)
形式:文庫本(¥529)、単行本(¥1,404)
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本
村上春樹さんの著書「神の子どもたちはみな踊る」を読みました。本書は2000年2月に発行された短編集。
本書は、異なる場所で過ごす人々の生活を描いた6つの短編小説で構成されています。それぞれの登場人物に個人的な接点はありませんが、1995年1月17日の阪神淡路大震災が共通の背景となっています。
6編の小説は次の通り。どれも40ページ前後です。
村上春樹さんの小説は好きなので結構読んできたつもりでしたが、本書はたまたま手に取る機会がありませんでした。きっかけとなったのは、評論家の宇野常寛さんの著書「リトルピープルの時代」で題材として取り上げられていたこと。こちらの本はまだまだ冒頭なのですが、内容をより正確に読むために、まずは本書をしっかり読んでおこうと思い立ったのでした。
読み出してみたらあっという間。
読み終わった感想は「なんで今まで読んでこなかったんだろう」でした。
それぐらいに印象に残る部分が多く、また後で読み返したくなるような一冊。
印象に残るとは言っても、どの話しもすごく盛り上がるシーンとかは特別なく、割と淡々と進んで行きます。それでも、登場人物の思考やら経験が強烈で、頭に残ってしまう。そんな感じです。
5つ目の「かえるくん、東京を救う」が特に印象的。少し著者らしくない雰囲気を醸しているのですが、そのユニークさがまた面白い。東京の大震災を未然に防ぐため、「かえるくん」が立ち上がるというお話しです。
最近は小説を読む機会が減ってきていましたが、改めて「小説って良いな」と思うことのできる一冊でした。