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WEB制作
webクリエーターとしての道 vol.3
前回の「新卒時代」に引き続き、「起業時代」をお届けします。友人と会社を起こした2012年以降のお話し。
目次
起業時代
前回のレポートでは2011年いっぱいで勤めていた会社を退職しました。
2012年に入り、友人と「合同会社」を作るところから始まりました。株式会社にしなかったのは費用を抑えられることと、日本ではLLCがマイナーだったので自分たちで盛り上げよう!という意気込みからでした。事業内容はホームページの受注制作。なので僕にとっては仕事内容がほとんど変わらない感覚です。
全く人脈もなかったので基本的にはクラウドソーシングを活用して仕事を探し、着実にこなしていくというスタイル。友人は主に営業担当、僕が制作担当という分担。こうして普段はホームページ制作を受注しながら、余った時間で自社のwebサービス構築を考えることに。我ながらありがち(笑)。資金がほとんど無かったこともあり、自分たちの生活費を稼ぎながら仕事を回していくには、そうする以外に方法を思いつかなかったんですね。
手探りながらもスキル習得を忘れずに
そんなドタバタの起業でしたが、勉強もしっかりやっていこうと考えていました。しかし、仕事を作っていく中での勉強って難しい。稼がないと資金がショートしてしまうので、精神的に強くない自分は勉強よりも「仕事しないと死ぬ!」という焦りに囚われます。
そんな中でも、明らかに自分にとって不足している部分から何とかしようと考えていきます。1つはデザイン。基本的な考え方から学びたかったので、矢野りんさん著書「ウェブデザインのつくり方、インターフェイスデザインの考え方。」が参考になりました。
本書で紹介されたものを実際にiPhoneやパソコンで開いてみて、同じように操作するか、使いやすいかを考えながら丁寧に読み進めていきました。
もう1つはPHPフレームワークの包括的な部分。勤めていた時代からPHPフレームワークに開発を行っていましたが、常にぶっつけ本場というか知識が断片的でバラバラな状態。それを一旦整理して、フレームワークを使って開発する意味を知ろうと思い、手に取ったのが山田祥寛さん著書「Zend Framework徹底入門」です。
当時はまだZendFramework2が出たばかりぐらいのタイミングで、世間的にはまだまだZendFramework1がメジャーでした。自身の案件においても同じ状況だったため、こちらの書籍をバイブルとしてZendFrameworkを体系的に学ぶことに。
仕事以外でスキルを磨いていくためには、基本的ですが書籍を片手に手を動かしてみることが一番のように感じます。PHPなどのプログラミング言語であればコードを打つ、デザインであれば実際に触ってみたり、Photoshopなどのツールを触ることなどです。ただ目を通して頷いているだけだと、やる気があっても吸収が悪くなってしまい勿体ないです。
ともかく実践の時期
とはいえ、この時期は生きていくことに必死で仕事による実践がメインでした。クラウドソーシングは単価が安く、月数万円しか稼げないこともざら。年金やら各種税金を払うのに一杯一杯です。食費も可能な限り抑えなければならず、閉店間際のお店に行って50%とか値下げされたお弁当を買ってしのぐという絵に描いたような貧乏生活を過ごしました。
この生活で身を持って学んだことは、無理に仕事を取ろうと安売りすると、いかに自分たちの首を絞めるかということ。安売りはモチベーションが下がり、仕事のクオリティにも影響するため誰も幸せになりません。
こんな生活を半年ほど続けましたが、仲間とうまくいかずに各々でやっていくことになります。自分はその結果として会社を離れ、もう一度「Web関連の制作を学び直そう」と考えて再度就職する道を選びます。今思えば「よく生きてたなー」という感じですが、会社の解散手続きも面倒で、お金もなかったので結構追い詰められていた記憶があります。精神衛生上、非常に良くない。
以上のことから、この時期は会社を作って続けていくことの難しさ、信用0から取引を作っていくことの大変さなど、社会的なことを学ぶ機会に恵まれていたように思います。一方で制作に集中していたとは言い切れず、スキル向上は2の次になっていたかもしれません。そこで次はもう1度、制作に集中するための再出発です。