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「カーデザインは未来を描く」を読んだ

カーデザイナー・根津孝太さんの著書「カーデザインは未来を描く」を読みました。人々の生活を長く支えてきた「自動車」という工業製品の視点から、時代背景を読み解くことのできる1冊。

自動車から時代背景を読み解く稀有な1冊

本書は4部構成となっています。

  • 第1部 – 自動車の歴史
  • 第2部 – スポーツカー
  • 第3部 – 身近な自家用車
  • 第4部 – 著者が刺激を受けてきた自動車

まずは第1部で、人々の移動手段としての馬車が自動車に移り変わった時代から現在に到るまでの経緯を復習する内容。
戦争、経済成長期、バブル崩壊など世界的に大きな出来事が起こる中で、人々が自動車に求めるニーズの変化を追いながら、その時代背景を追っていきます。
第1部だけでも、自動車が必要とされるシーンに併せて最適化されてきた様子が分かり非常に面白いです。

第2部では時代の先端技術の結晶である「スーパーカー = スポーツカー」から、人々が何に憧れてきたか、その先に何を求めているかを追っていきます。

第3部では生活の中に溶け込んだお馴染みの自家用車です。
現代の売れ筋である軽自動車、ミニバン、コンパクトカー、ハイブリットカーの4カテゴリーを軸に、私たちの生活に馴染む作りになっている便利な工業製品としての自動車をみていきます。
自分たちが日常の中で何気なく乗っている車なので、最もイメージしやすいという点では共感できる部分もあり、また改めて自動車の便利さ、豊かさについて意識する内容となっていると思います。

第4部は著者による傑作車選。
特殊な用途で登場した車、映画やアニメに出てくるフィクションの車、今でも時々見かける車などが登場します。

自動車が好きな方であれば、専門的な知識の有無に関わらず楽しめる内容となっています。

自分もライトな車好き(車種が分かったり、運転が好きな程度)ですが、最後まで「次などんな車が出てくるんだろう」とワクワクしながら楽しく読ませていただきました。
読了まで本当にあっという間。

時代と共に、合理的な形へと改良されてきた自動車

まず印象的だったのは第1章の次の一文。

前世紀までの輝いていた時代の自動車も好きな僕からすると、「きっとこの車は素敵な未来に連れて行ってくれるに違いない」と感じさせてくれる力を持ったデザインが、現代には少なくなってきているようにも感じしまうのです。

P.29 「第1章 カーデザインという思考」より引用

自分も同じように、最近の車には最新技術が盛り込まれて安全性能は間違いなく向上しているであろう一方で、「絶対にこの車に乗りたい」みたいな圧倒的魅力を放つ車はないな、と感じていました。
ちょうど半年前に車を購入しましたが、その時も様々なディーラーへ足を運んで試乗もした結果、親戚がディーラーに勤めていたことと燃費の良さからFITハイブリットを選びました。
最終的に「これじゃなきゃ嫌だ!!」が無いなら、単純に燃費が良くてコストも抑えらえる現実的な選択に落ち着きました。

無難な選択をしつつも、やっぱり自分の車があると便利だし楽しいなーと感じていたのである程度は満足していました。
そこへ本書の第3部「自家用車」でハイブリットカーとコンパクトカーに関する部分を読み、普及した時代背景やメーカーの工夫している面が分かり、より車に乗る楽しみが増しました。

自分の車だけでなく、今までむしろ魅力がイマイチ分からなかったミニバンや軽自動車についても利便性や利用シーンを知ることができたことも新しい発見でした。
「カーデザイン」という視点で自動車を改めて見ると、どの車もコンセプトがあって、存在意義があることに気づく。
不思議と全ての車に対して愛着が湧き、「あの車はこういう時に便利なのかな」といった想像する楽しみができました。

工業製品の1つであると共に、私たちの生活と密接な「自動車」。
その魅力を著者のカーデザイナーの視点から再発見することができる、なかなかユニークでありながら非常に面白い一冊でした。

個人的には今年読んだ本の中でも、間違いなく5本の指に入る面白さ。
車が好きな方、運転が好きな方にとってはほぼ間違いなく楽しめる内容なので本気でオススメ。

ドライブ行きたいなー!!

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