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働き方

個人事業主の社会保険

個人事業主の社会保険

日本に住んでいる人であれば必ず加入している社会保険。そもそも社会保険て何?というところから、会社員と個人事業主の加入する保険の違いまでを確認していきます。

目次

様々な保険を包括した社会保険

「社会保険」と聞くと、まず「健康保険」や「年金」が思い浮かぶと思います。特に重要なのがその2つですが、内容としては次のものを含んでいます。

  • 健康保険
  • 年金
  • 労災保険
  • 雇用保険

上記のうち、「労災保険」と「雇用保険」は個人事業主が加入することはできず、雇用した人が加入対象となります。ただし、労災保険については特別加入することが可能です。詳しくは厚生労働省ホームページの「特別加入制度のしおり」をご覧ください。

健康保険

会社員であれば「全国健康保険協会」、または「健康保険組合」に加入し、保険料は会社と半分ずつの負担となります。一方、個人事業主は「国民健康保険」に加入することになり、こちらは全額自己負担。補償内容にも違いがあり、病気・ケガで仕事を休む場合に支給される「傷病手当金」や「出産手当金」は、国民健康保険にはありません。

個人事業主が健康保険に入るには、次の4つの方法から選ぶことができます。

会社員時代の健康保険を任意継続する

会社を独立して個人事業主となった場合、会社員の時に入っていた健康保険を最長2年間まで継続することができます。

メリットとしては手続きが簡単なことと、保険料が国民健康保険と比較して安くなるかもしれないことです。

しかし注意する点が3点あります。まずは退職の翌日から20日以内に申請すること。営業日で数えます。1日でも遅れてしまうと継続できませんので注意してください。

次に保険料ですが、こちらは退職後から全額自己負担となります。実質2倍。それでも限度額が設定されているため、国民健康保険を支払うよりも安くなる場合があります。

最後に、自分から脱退することができません。宗教みたいですが…。ただし、保険料の支払いが1回でも滞ると即強制脱退となります。

国民健康保険に加入

最もオーソドックスな形。保険料は前年度の収入に応じて変わります。限度額は設定されていますが、最大で80数万円とかなりの高額になります(※住んでいる地域によって異なります)。

被扶養家族として健康保険に入る

両親や配偶者が加入している健康保険に、扶養者として加入する方法です。保険料を負担しなくても良くなりますが、同一世帯でなければならないことと、年収が130万円未満でなければならないため、個人事業主としては強い制限のある方法と言えそうです。

健康保険組合に加入する

会社員でない方も加入できる健康保険組合があります。保険内容は国民健康保険と同じですが、所得の額に関わらず保険料が一定となっていることが多いため、保険料を抑えられることが多いです。

業種や地域によって様々な保険組合があるので、自身が加入できる組合があるかを一度調べてみることをお勧めします。全国国民健康保険組合協会ホームページの「リンク」ページにある「国民健康保険組合」から、業種による組合一覧を見ることができます。

年金

会社員であれば「厚生年金」、個人事業主であれば「国民年金」に加入します。厚生年金は「国民年金保険料 + 厚生年金保険料」を会社と半分ずつ負担します。個人事業主の国民年金は全額自己負担です。

2つの違いは将来の年金受取額、そして扶養に入っている配偶者の保険料の扱いです。厚生年金は配偶者も保険料を納めたことになりますが、国民年金は配偶者も別途1人分として納めなければなりません。

「国民年金だけでは不安!」という方のために、必要に応じて次の方法で年金を積み立てることができます。

付加年金

通常の年金に加え、月額400円を納めます。すると、「200円 × 付加保険料納付月数」を受け取ることができます。

仮に30年間(360ヶ月)付加保険料を支払ったとすると、「200 × 360 = 72,000円」。72,000円が1年辺りの年金受取額に追加されることになります。非常にお得な仕組みですが、後述する「国民年金基金」との併用はできませんので注意してください。

国民年金基金

個人事業主のために用意された厚生年金のような仕組みです。毎月の掛け金を決めて納めることで受給額を増やすことができます。掛け金には上限があり、後述する「確定拠出年金」と合わせて68,000円までとなっています。詳しくは国民年金基金のホームページをご覧ください。

確定拠出年金(日本版401k)

自分で運用商品を選び、毎月の掛け金を受給まで運用する方法です。自己責任で運用商品を決めるためリスクがあり、運用次第で受給額が上下します。選択できる運用商品の中には元本保証(預けた金額より減ることがない)ものもあるので、運用が苦手な方にもお勧めできる方法です。

掛け金の上限は月額68,000円、年間816,000円と決まっており、この枠は国民年金基金と共有されます。そのため、国民年金基金に加入している場合は毎月の掛け金を差し引いた金額が、確定拠出年金の枠となります。

68,000円 – 10,000円(国民年金基金の毎月の掛け金) = 58,000円(確定拠出年金の掛け金枠)

労災保険

労災保険とは、労働者(会社員・従業員)が業務範囲内による原因でけが、病気、死亡した場合、または通勤途中の事故に対し、国が個人事業主に代わって給付を行う制度です。保険料は個人事業主の全額負担となります。

先述の通り、個人事業主も場合により特別加入することが可能です。(厚生労働省HPの「特別加入制度のしおり」)

雇用保険

雇用保険とは、労働者(会社員・従業員)が失業した場合に、再就職までの生活の安定を保証するために失業給付を行う保険制度です。1週間の所定労働時間が20時間以上、31日以上の雇用見込みがある人を雇う場合、「労災保険」とセットで加入します。保険料は個人事業主と労働者の双方が負担します。

個人事業主自身は加入できませんので、雇用のない場合は納める必要はありません。

まとめ

以上、4種類の保険について見てきました。1人の場合であれば、実質2種類の保険料を納めれば良いことが分かります。

個人的にお勧めしたいのは、健康保険は組合を探して加入すること、そして年金については確定拠出年金などを活用して将来への備えを充実しておくことです。どちらも扱う金額が大きいため、活用できるところはうまく活用し、上手に将来への備えを進めていきたいところです。

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