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「騎士団長殺し」を読んだ

「騎士団長殺し」を読んだ

日本を代表する小説家、村上春樹さんの最新長編作。第1部と第2部に分かていて、合計1000ページ以上にもなる本書。読むのに1ヶ月以上かかってしまいましたが、その感想を書きます。ネタバレなし。

著者独自の不思議な雰囲気が健在

読んでいて感じたのが、「ねじまき鳥クロニクル」にどことなく似ているな、と。空間の描き方に近いものがあると思います。

主人公の男性は30代半ばの画家。彼を中心に、不思議な人、事象が起こり、その影響を受けた主人公が画家としてのキャリアに反映されていったり、自分の生き方を見つめ直していくという話し。波乱の展開が起こるわけではなく、全体的には割りとしっとり静かに経過して行きます。

文章は著者の持ち味が存分に出ているように感じました。他の作品同様に、本作も読み進めていくと車やお酒、音楽が愛おしくなる。モノとしての重みというか、存在感を改めて感じる場面が多々あり、普段お酒を飲まない自分ですがウイスキーを買ってみたりしたくなる、そういう感じです。

ただ本作は、著者の本を初めて読むという方にはオススメできないかもしれない。ちょっと曖昧すぎるというか、結局ストーリーを通じて何を伝えたかったのか、「テーマ」が見えづらい。というか、そういうものがそもそもあるのかすら分かりませんでした。

僕は著者の本を何冊か読んできた上で本書を手にとった形なので、「らしさ」を堪能できただけでも楽しめる部分はありました。ただ、まだ著者の本を読んだことがない方には「海辺のカフカ」や「ダンス・ダンス・ダンス」、「ノルウェイの森」の方がオススメ。これが正直な意見。

もう少し踏み込んだ言い方をすると、本書はベストセラーにはならないと思いました。著者への期待は大きいので、発売当初は勢いがあると思いますが、数ヶ月経つとかなり落ち着くと思う。あくまで著者の今までの作品が持つ雰囲気が好きという人向けの本です。

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