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wpdbクラスを使ってデータを削除する

WordPressが標準で用意しているwpdbクラスを使って、データベースに登録されているデータを削除する方法について解説します。

この記事のポイント

  • データの削除はwpdbクラスdeleteメソッドを使う
  • deleteメソッドは内部で自動的にプリペアドステートメントを実行する

wpdbクラスを使ってデータを削除する

WordPressでデータベースの操作を行うインターフェースを提供するwpdbクラスは、データベースに登録されているデータを削除するためのdeleteメソッドが用意されています。

deleteメソッドはパラメータを先頭から順に(1)テーブル名(文字列)、(2)削除するデータを特定する条件(配列)、(3)条件のデータタイプを指定します。
(3)はオプションですが、指定しなかった場合は全て文字列(%s)の形式として扱います。

以下の例ではテーブル「table_name」に登録されているidカラム100のデータを削除します。

index.php

<?php

global $wpdb;
$res = null;

$res = $wpdb->delete(
    'table_name',
    array(
        'id' => 100
    ),
    array(
        '%d'
    )
);

if( 1 <= $res ) {
    // 削除に成功
} else {
    // 削除に失敗
}

第2パラメータで削除するデータを特定するための条件を連想配列を使って「カラム名 => 値」のペアで指定します。
SQLのWHERE句に該当します。

第3パラメータの配列ではこの第2パラメータの値の形式を指定し、文字列の「%s」、整数の「%d」、浮動小数点数の「%f」のいずれかを指定します。
条件が複数あるとき、この2つのパラメータは先頭から順番を対応させる必要があります。

deleteメソッドは削除に成功すると削除した行数を整数で返し、もし削除するデータが見つからなかったときは整数の0を返します。
また、SQLなどのエラーで正常に実行できなかったときはfalseを返します。
そのため、削除が成功したときの判定は削除したデータが複数ある場合も考慮して「1 <= $res」のように1つ以上の行数を削除したか確認するようにします。

プリペアドステートメントについて

wpdbクラスはSQLインジェクション対策のプリペアドステートメントを使用するためのprepareメソッドが用意されていますが、deleteメソッドは内部で自動的にprepareメソッドを使うように実装されているため、あえて手動でプリペアドステートメントを実行する必要はありません。

より具体的には、deleteメソッドwp-includes/wp-db.phpで以下のように実装されています。

wp-includes/wp-db.php

<?php
/**
 * WordPress database access abstraction class
 *
 * Original code from {@link http://php.justinvincent.com Justin Vincent (justin@visunet.ie)}
 *
 * @package WordPress
 * @subpackage Database
 * @since 0.71
 */

---- 省略 -----

public function delete( $table, $where, $where_format = null ) {
	if ( ! is_array( $where ) ) {
		return false;
	}

	$where = $this->process_fields( $table, $where, $where_format );
	if ( false === $where ) {
		return false;
	}

	$conditions = array();
	$values     = array();
	foreach ( $where as $field => $value ) {
		if ( is_null( $value['value'] ) ) {
			$conditions[] = "`$field` IS NULL";
			continue;
		}

		$conditions[] = "`$field` = " . $value['format'];
		$values[]     = $value['value'];
	}

	$conditions = implode( ' AND ', $conditions );

	$sql = "DELETE FROM `$table` WHERE $conditions";

	$this->check_current_query = false;
	return $this->query( $this->prepare( $sql, $values ) );
}

上記のようにdeleteメソッドは最後のreturnの部分でprepareメソッドqueryメソッドを実行していることが分かります。

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