最終更新日:
公開日:
その他
webクリエーター、画面を出る vol.1
1人のwebクリエーターとして、ずっと違和感を持ちながらも放置してきたことに向き合って行こうと思います。その過程を綴っていくための記事。本シリーズは不定期更新です。
目次
「画面を出る」とはどういうことか。
web関連のお仕事は基本的に画面との勝負です。メールを打つ時、デザインを作る時、コードを打つ時、形になったホームページをチェックする時。いずれも画面の中の出来事です。デジタルで作り、デジタルで終わる。アナログなモノ、つまり物理的に触れるものは作ることができません。あくまで2次元の世界です。
これはwebの良いところでもあります。デジタルであるからこそ、様々な端末で、インターネットさえ繋がっていればアクセスすることができる。失敗しても作り直しも簡単で、何度でも繰り返し行うことができます。
しかし僕は、デジタルで完結していることにある種「儚さ」のようなものを感じていました。なぜかと言うと、次の3つが当たり前だからです。
- すぐに削除できる
- 複製が簡単である
- 触覚や嗅覚に訴えるものがない
良いところと悪いところの裏返しをずっと身近に感じ続けることで、個人的にはwebの世界、もしくはシステムの世界は「リアリティが不足したもの」と感じざるを得ませんでした。
デザイン案を何時間もかけてPhotoshopで作成しても、一瞬にして削除や複製することが可能です。どんなに見た目を凝ったものにしても、質感を表現しても直に触ることは不可能です。そんな当たり前の事実に、正直なところ何か「気持ち悪さ」を感じてきました。
思えば、Skypeやweb上のライブ配信(リアルタイム配信)についても同じことを感じてきました。写っている人は本物の生きている人間なのに、実際にそこにいるのと変わりがないはずなのに、なぜか画面越しだとチープさを感じる。自分が同じ空間にいるのとでは明らかに緊張感も違います。たぶん認識している物理的な距離感があることと、その場の雰囲気(空気)までは肌で感じることができないが原因だとは思います。同じように感じる人は、実は多いのではないでしょうか。
そこで、画面で表示されることで終わらずに、実際に見て触ることのできるものを作るにはどうしたらいいのか。デジタルを現実世界に形作ることができるのか。現実世界に現実感を持ったデジタルを作ることに本気で向き合ってみよう。そんなことを考えるに至りました。これがつまり、「画面を出る」ということになります。
そう考えた経緯
そもそもで言うと、子供時代に触っていたパソコンが原点かもしれません。フロッピーを差し込まなければ起動しない、当時でもおそらくポンコツな代物だったと思います。まともに起動させることすら不可能な状態。操作方法もちんぷんかんぷん。それでも「何かできることあるんじゃないの?」と期待し、分かりもしないのに色々といじっていた記憶があります。
唯一の成果物はプリンターで紙に出力したテキスト。当時は「魔法陣グルグル」の影響で漫画を描いていたので、これを使えば漫画雑誌と同じようなセリフが作れる!と、当時手描きでしかできなかったことから、一歩だけ前進します。
その後に中学生になって、家に1台のノートパソコンがきます。このマシンで、今で言うAdobe Animate(旧:Flash)のようなソフトでアニメーションを作ったり、紙に書いた絵を友人の家でスキャナーで取り込んで色を塗ったりして遊んでいました。
同じ時期に、「メダロット」というアニメがちょっとだけ流行ります。メダロットを簡単に説明すると、意思のあるロボットのことで、人間のパートナーとしてライバルと戦闘をしていくことで切磋琢磨し強くなっていくという、話自体はよくありそうな少年漫画です。当時すでにポケモンがありましたが、僕はメダロットに出てくる意思を持つ友達のようなロボットに夢中でした。自分で作れないかと貧弱な頭を使って、「二足歩行は難しそうだから、キャタピラにしよう」とか偉そうなことを考えていました。
高校時代、大学時代はコンピューター全般に興味を持ち勉強していたので、あまり「作った」というようなものはありません。就職については、勉強した内容を活かせるようにwebクリエーターという職種を選び、そのまま6年間続けてきました。仕事をしている中で自分は「webクリエーター」として企業と人を結びつける仕事にやりがいを感じつつも、先述の通りデジタルの「リアリティのなさ」を日々実感してきました。
このままではいけないと決定的に思ったのが、落合陽一さんの著書「魔法の世紀」です。本書の中では20世紀が「映像の世紀」、そして21世紀は映像から現実世界にデジタルが溶け込んだ「魔法の世紀」へと移りゆくことが書かれています。この本と出会い、落合さんの作品をフォローする過程で、僕の中で感じていた違和感がさらに色濃くなっていきます。その結果、一刻も早く画面から出なければいけないと考えるに至ります。(魔法の世紀につきましては、別記事「魔法の世紀」で紹介しています。)
今後どうするのか
結論を言うと、「物理」を身につけて手を動かすしかないと考えています。今のところ。現実世界にモノが物理的に存在する上では、この知識は必須なのだと思います。もし間違っていたら教えてください。
とはいえ今まで物理も数学も勉強してこなかった自分がどうやるのか。今からやるしかありません。僕はあまり深く考えない性格なので、基本的に想像したものは実装できると考えています。
ということで、本シリーズはまずはArduinoとの格闘を掲載していきます。とにかく出来ることから。ゴールはメダロット!(著作権とか気にしない)
こちらの記事は役に立ちましたか?
コメントありがとうございます!
運営の参考にさせていただきます。
ありがとうございます。
もしよろしければ、あわせてフィードバックや要望などをご入力ください。