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「ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か」を読んだ

「ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か」を読んだ

本書は、閉鎖寸前まで追い込まれた工場を舞台に「企業の真の目的は何か」という根本的な原則から見つめ直し、「組織」というチームが一丸となって工場経営を改善していくプロセスを綴った小説仕立ての一冊

目次

本書のあらすじ

主人公はユニコ社のとなる工場の所長を務めるアレックス。
その工場はずっと赤字続きで、納期が遅れるのは当然な壊滅的な状態。
あまりの惨状に本社の副本部長であるビルから、3ヶ月以内に工場が利益を上げられるまでに改善されなければ閉鎖する旨の通達を押し付けられる。
仕事に必死になるアレックスは妻とも喧嘩がちになり、ついには妻は実家へ帰ってしまう…。

まさにドン底で始まる本書ですが、アレックスは空港で偶然、大学時代の恩師であるジョナと再会します。昔話しや現状なんかの世間話をしていくうちに、工場の状況についても話しが及び、そこで思い掛けない素敵なアドバイスをもらえるようになります。
その後も何度もジョナに相談し、その度にもらったアドバイスを工場へ持ち帰り、工場スタッフと話し合って少しずつ、しかし着実に生産工程を改善していく、というお話しです。

工場の問題と並行して、家庭の問題にも向き合っていく姿勢が描かれていて、たんにビジネスに専念した内容ではありません。

工場の生産工程をモデルに、ビジネスの問題解決プロセスを描く

工場の改善を行うにあたって、まずは本書のタイトルにある通り「企業の真の目的とは何か」という根本的なところから考えていきます。
基本に立ち返り、最終的な目的(ゴール)をスタッフと共に再認識します。

目的が明確になったところで、次に「どこから着手したらいいか」という手探り状態から、次々に見つかる問題をスタッフと共に力を合わせて改善していきます。
この「スタッフと共に」というところも肝心で、アレックスはグイグイ周りを引っ張っていくというよりも、周りのスタッフと密にコミュニケーションを取って、それぞれの生産工程の責任者と共に納得したうえで改善策に取り掛かっていきます。このような、責任者にしっかりと権限を渡して「仕事を任せる」ことが上手だったと感じました。
その結果として、それぞれの生産を担当する部署から思い掛けない改善案が出てきたり、スタッフの自発的な「工場を改善するんだ」という意思を持った仕事への姿勢に繋がっていったのではないでしょうか。

アレックスと工場スタッフが一丸となり、着実に改善のステップを進んでいく様は本当に清々しいです。

どのような人に向けた内容か

ここまで書いてきた通り、本書は工場の生産工程を改善していく様子が描かれているので、一番読んで効果があるのは「工場での仕事に携わる人」ということは間違いないと思います。生産工程の中で存在する問題点も、工場ならではといった箇所があります。

工場関係者以外でも、プロジェクトの指揮を取ったりなど、組織の中でなにかしら権限のある方にはオススメできると思います。
「企業の真の目的」は業種に関わらず共通だと思いますし、問題がどこで発生していて、どのように解決するかを周りのスタッフと話し合い行動に落とし込む、という問題解決のプロセスも共通して活用できるポイントがあるのではないでしょうか。

本書に書かれているのは「組織の問題解決プロセス」に対する考え方です。ここが多くのビジネスマンに共感されているからこそ、世界中で読まれるまでに至ったのだと思います。

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