最高の結果を引き出す質問力
著者:茂木 健一郎
出版社:河出書房新社(2016/11/12)
形式:単行本(¥1,404)、Kindle(¥1,123)
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本
脳科学者である茂木健一郎さんによる著書「最高の結果を引き出す質問力」を読みました。生活の様々なシーンで活用できる「質問する力」について書かれた一冊。
埼玉住みですが、8月になってからずっと不安定な天気が続いていますね。
梅雨明けはいつなんだろうという、行き場のないモヤモヤが募っています。
カラッと晴れた青空が恋しい。
天気が良くないと、ついつい引きこもりがちになってしまうため読書が進みます。
Netflixの「ザ・ディフェンダーズ」も2日で見終わってしまいました!!
さて、今日ご紹介する一冊は「最高の結果を引き出す質問力」。
「質問する力」は自分に不足しているように感じていたため、本書のことはずっと気になっていました。
自分に質問する力が不足しているとよく感じるシーンは、例えば講演会やらセミナーに参加したとき。
登壇者の話しが一通り終わると、最後に「何か質問はありますか?」という時間がありますよね。
そういうとき、話しを聞いていてモヤっとしたものがあるものの、どこで気持ちが引っかかっているのかが言葉にできず、無情に時間だけが過ぎていく。
別に質問しなければいけないわけじゃないけれど、この「モヤっとした気持ち」を特定することも、自分の中で「なぜモヤっとするんだろう?」という疑問を掘り下げていく行為だと思うんです。
「なぜ?」を繰り返していくうちに、少し形が浮かび上がってくるような。
ちょっと抽象的ですが。
そんな周りに対しても、自分自身にも威力を発揮しそうな「質問力」。
本書では2章で「質問」についても科学的な解説があり、さらに「良い質問」を生む3つのステップまで紹介されています。
この3ステップが実例を交えて紹介されているので「なるほど納得!」でした。
いつも感じていた「違和感」を見逃さずに、論理的に掘り下げていく力が良い質問を生むようです。
著者の具体例が印象的で面白かったので、一部ご紹介します。
私は、31歳のとき、電車の中で揺られながら、いつものように考えごとをしてノートにたくさん難しい計算式を書きつけていました。すると突然「ガタン、ゴトン」と、電車の立てる音が耳の裏に響いてきたのです。
位置No.576 「2章 質問力とはなにか – 質問とは自分との対話」より引用
著者はこの違和感を見逃しませんでした。
「この音は何ヘルツ、それが耳のこの細胞をこう刺激して、脳に伝わる」
「この物理的過程がどうしてこんな音の質感に変わるのだろうか?」
「私の感じているこの音は、そんな説明には回収されない、独特の質感を持っているのではないだろうか?」
このように考え続けていくことで、ある種の啓示のように感じ、「クオリア」という考え続けるべき課題を発見したとのことです。
この質問の過程、すごいと思いませんか?
「電車の音」という日常にありふれた一部分から、一生考えるに値する課題を見つけられる可能性を秘めているのが「質問力」のようです。
質問する力について分かったところで、次に気になるのは「質問する力って身につけられるのか?」ということ。
日々の中で鍛えられるかはとても重要です。
その疑問についても抜かりなく、5章の「質問力をさらに高める8つのアクション」で紹介されていました。
個人的には2つ目が特に重要に思いました。
簡単なようで、考えていることを文字にするのって意外と面倒です。
でも一度やってみると、3つ目の「なぜ?」に繋げて考えを深くすることができるように思います。
これを僕は「自分会議」と称して、月に1度は必ずやるようにしています。
本書で書かれている「質問力」とはつまり、思考停止せずに考え続けること。
改めて「考えること」について見直してみると、日常の中でも今まではスルーしていたことの中でも発見があり、新鮮な気持ちを感じることができました。
僕のように「モヤっとした違和感」の正体を特定したい方、好奇心が強い方は一読する価値のある一冊です。